転勤族の遠距離介護にまつわる心構え、課題の整理、お役立ち情報などをまとめます。
転勤族の遠距離介護はいつから始まる?
遠距離介護の場合、明確なスタート時期が分からないという問題があります。帰省のタイミングで「あれ?ちょっとうちのお父さん(お母さん)、衰えてきたかも…?」と思っても、数日間の滞在ではことの重要度に気づけないことも多いため注意が必要です。
親の代から転勤族だったこーてるは、自分が小学生時代、祖父母の家に年2回ほどのペースで帰っていました。そして、少しずつ祖父母の衰えが見え始め、遠距離介護の末に認知症になった祖母を呼び寄せて、同居をした…という経緯があります。
その時の経験と、今まさに直面している親の老いから「そろそろ遠距離介護のはじまり?」と思ったらチェックしたい項目をまとめました。
遠距離介護のはじまりチェックリスト
このまま老人(老夫婦)だけで独立した生活を維持していくのは難しいのでは?という瞬間が訪れることは、漠然としたイメージは持っている方も多いはず。じゃあ一体どんなタイミングでそれを口にすべきか悩む、親に対して切り出すのは憚られる…という思いもありますよね。
そこで、簡単にチェックポイントをまとめました。
- お風呂や階段など、見ていてヒヤっとする、危ない・使いづらい場所が家の中にないか?
- 洗濯干しや風呂掃除など、つらくなってきた家事がないか?
- 貴重品の管理等ができているか?(請求書類など溜まっていないかチェック)
- ゴミがきちんと捨てられているか?
- 部屋の隅などまできちんと掃除ができているか?
- 料理や買い出しなどが今まで通りできているか?
- 惣菜ばかり、外食ばかり、同じ料理ばかりなど食の彩りが乏しくなっていないか?
今まで通りか?という目線がけっこう大事だと感じています。たとえば今までお料理好きだった方が、帰省したら寿司を取ろう、鰻を取ろう…など、急に出前ばかり取るようになる。「最近はお弁当ばっかりだ…」と夫(妻)が愚痴をこぼす。こんな状態があれば、もしかしたら足腰が弱って料理が辛くなっているのかも?認知症の初期症状の一つとして、料理の作り方が分からなくなる、味つけがおかしくなるといったことが起き始めているかも?など、心身の変化に気を配る必要があります。
ただ歳を取って億劫になっただけ…と思いたいのですが、「気力が沸かない」というのも老化のひとつであり、特に好きだったことへのやる気が起きない場合は認知症の始まりであるケースも念頭において、好きなことで脳を刺激できないか?という視点で見てあげるのが良いと思います。
こーてるの場合は、帰省のたびに高いところ(天井や照明のかさなど)や、水回りの低い部分(たとえばお風呂の洗い場タイルなど)の掃除をやってあげるようにしています。
遠距離介護のスタートは人それぞれ。早い段階から目を配ることが大事。
夏の帰省を終えて、親御さんをみて「意外とまだまだ元気だな」と感じた方も、「怪しいかも…」と不安になった方もいらっしゃると思います。入院したら?要介護認定を受けたら?それとも当人が少しでも生活の不便を感じたら?いったいいつのタイミングから手を差し伸べるべきなのかという判断については、人それぞれ意見が分かれるところだと思います。
だれもが経験する老いだからこそ、面倒だから、知りたくないから…と目を背けるのではなく、早めに知って対策を練るのがお勧めです。ある日突然、お金の管理ができていない、健康管理ができていない…といった事態に気づくのでは遅すぎます。
たとえば早めに気づくことができれば、
- 貴重品の管理状況を聞き取り、メモにまとめておく
- 詐欺等に合わないように電話の転送機能を設定しておく
- 見守りサービスに加入しておく
といった対策をしておくことができます。これらは遠距離でも可能です。
「介護」と聞くとまだ先のような、すごく大事のように感じる方も多いと思いますが、老いには必ず前段階があるため、要介護や要支援になる前の助走期間にいかに準備をして、整えておけるか?がその後の生活を大きく左右します。ぜひ、気を付けてみてください。
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